FallOut4 ―RPGとシューターの中間からシューター方向に振り切ってみせたシリーズ最新作―
War. War never changes.
前作New Vegasから5年。ついに戻ってきた待望のシリーズ最新作。
FallOut4
ついに来月中旬に日本語版発売である。
まぁ一足お先に海外DL版をやっている私にはそんなもんどうでもいいことではあるが、今作がどんな感じなのか知りたい!早くどんな感じなのか教えろハゲ等思っている人も多いだろうし、私はブログに書き起こせる程度には(49時間29分ぐらい)プレイしているのでちょっと色々な気づきを書いていこうと思う。
・狭くなった。しかし密度は濃くなった世界
FO4のマップはFO3、NewVegasより狭い。しかしながら見よ。このランドマークの多さを。まぁ、農家の一軒家とかもこの中に入ってたりするのでまともなダンジョンのような建物は4,5割程度か。
しかし、マップもFO3、New Vegasのような一面荒野の世界というわけではない。
のような市街地跡やのような放射能にまみれた自然等といったバリエーションに富んだロケーションが私達を温かく歓迎してくれる。
しかも今回はロケーションに配置されている敵やアイテムは数日周期で再度湧くので一度行った場所でも再訪する楽しみがある。
・過去作よりさらにパワーアップしたシューターとしての要素
前々作のFO3は、シューターとしてはイマイチであった。
武器の種類が少なく、カスタマイズ性もなかったのだ。PC版のMOD、DLCを入れる等をしなければ、繰り返しシューターとして遊ぶには少々味気が薄めだった。
New Vegasでは、武器の種類の増加、武器を改造する武器modの追加、そして敵に体力とは別に装甲値を定める事で強装弾、弱装弾などの弾薬の種類まで追加した。
装甲値の存在は、ただでさえ強敵のデスクローの装甲値がかなり高く設定されていたので終盤にそれを抜ける貫通力がある武器を手に入れるまで倒せない最強の敵になってしまうなど、少々問題もあるシステムではあったが、調整がされていれば中々シューターとして面白いシステムだったように思う。
そして今作FO4となるわけだが、今作はかなりシューターとしてはこだわりつつ、長く楽しめるような調整が成されている。
まずはこのカスタマイズ要素からだろう。今作では近接武器、銃、防具、パワーアーマーにそれぞれ改造を加えることが可能になっている。
改造は拾ってきたジャンクを分解する事で出てくる素材を使うことで行うことができる。威力が上がる、連射性が上がる、マシンピストル化など効果は様々だ。
格闘武器はBlack Smith、実弾武器はGun Nut、化学武器はScience、防具、パワーアーマーはArmorerのperkがそれぞれ改造パーツ製作に必要になるが、今作はレベルキャップがなく、すべてのperkが習得可能なので悩む必要はない。
頑張って全部取れ。
後、今作ではFO3からあった固定名称のユニーク装備のほかにも、特殊効果の付いた武器、防具が特殊な敵からドロップするようになった。いわゆるレア装備である。この装備は敵の足に20%の確率で重症を負わせる効果が付いている。
他にも種族特効など様々な効果が付いたユニークな装備がドロップする。
ハックアンドスラッシュ的で中々面白い試みである。
欲しかった武器カテゴリじゃなかったり、上の画像のような微妙なネタ武器っぽいのをゲットしてしまうと少々残念だが、こういうの拾ったよ!みたいな面白いネタにはなっていい感じだ。
もちろん、これまでの固有名のユニーク装備やこのレア装備も改造が可能だ。
シューター部分については、
FO3、NVとは違い、このような腰だめ状態だとレティクルが広がり弾がばらけるのでしっかりとADSしなければならない。
反動も追加されていて、
連射するとしっかりと銃身が上に跳ねるようになっている。カスタマイズである程度は抑える事も可能だが、しっかりと反動制御や指切りをして撃つ事も心掛けなくてはならない。
他にもスコープ付の武器ではAPを消費して息を止める事で安定射撃ができるようになるし、銃撃戦だと敵はしっかりと障害物にカバーする、相手が近づくと殴るなどの人間らしいAIがしっかりと組まれていて、シューターをやってる感じにさせてくれる等、過去作でおかしかった所や不満だった所の改善が図られている。
(見えにくいだろうが、レイダーが近づいたドッグミートを銃で殴っている)
NewVegasの装甲値はオミットされ、FO3準拠の攻撃力が強ければ強いほどダメージがしっかり与えられるというわかりやすいシステムになっている。
シューター部分については『Destiny』のものを参考にしていると聞いて心配になっていたが、悪いところは真似せずいいところだけをしっかりと取り込んでいて好感が持てる。
・建物や町を作れるクラフトシステム
今作ではしっかりとした『ホーム』を作ることが出来る。FO3,NewVegasでも家を持つ事はできたがそれはプレイヤーが倉庫、休憩所として使える場所なだけで、そこに「生活感」はなかった。今作では人が集まって住まう場所として拠点を作り、そこをカスタマイズできる。
拠点のカスタマイズ性は高く、拠点の範囲内であれば建物は他に干渉しなければ好きに建てられるし、家具も自由に置ける。こんなところに椅子を置いてくつろぐことだってできてしまう。
この拠点のカスタマイズ要素には、装備カスタマイズと同じくジャンクを分解して手に入る素材が必要だ。
このレンチからは鉄が2つも手に入る。鉄や木は建物を作る際に大量に必要になるので2つでもとてもありがたい存在だ。
素材は25個セットを商人が売ってくれたりもするが、基本的に1000キャップ近くする。どうしてもという時以外は自分でジャンク拾いをして稼いだ方が良さそうだ。
他にも拠点は発電機を設置し、電線を引くことで文明的な場所にもなるし、Local Leaderというperkを習得していると店を設置したりもできる。
それができてしまえば拠点はあっという間に便利な町にも早変わりというわけだ。拡張性の高い拠点システムは、君の開拓者魂に火を点けること間違いなしだ。
・存在しないレベルキャップ、強化できるSPECIALと順序関係なく習得できるperk
今作ではレベルキャップが存在せず、スキルシステムも削除された。
残ったS.P.E.C.I.A.L.システムがperkシステムに紐付けされ、1つのSPECIALの最大のポイント10までそれぞれ1perk、それが5つで合計50種類のperkが存在する。そのそれぞれのperkは条件を満たしていれば好きなものから習得できる。
そのperkにもランクが存在し、ランクが上がるごとに強力な効果になっていく。SPECIALに紐付けされたということは、最初に振り分けたそれで最後までやらなきゃいけないの?と思う人もいるかもしれないが、そこは心配御無用。
レベルアップ時に貰えるポイントは、perk習得のほかにSPECIALの強化にも使える。perkを習得し様々な有利な効果を取ってからSPECIALを上げるか、SPECIALを取って地力を上げ、後半にperkを習得するか。それとも好き勝手に適当にやっていくか。それはプレイヤー次第であるが、最終的に行き着く先は同じ超人である。
気にせず好きにプレイせよ。
・逆に希薄になったRPG要素
様々なロケーション。強化されたシューター要素。クラフトシステム。レベルキャップなし。非常に素晴らしい。いいじゃないか。
だが、FallOutの醍醐味であったRPG要素はうす味気味だ。上の画像のように、重要な会話の受け答えは簡略化されてしまった。
悪人プレイをしようにもちゃんとした一般人の住む町は少なく、自分で町を作って自分で破壊するというマッチポンププレイが悪人プレイの基本となるだろう。
前述したレベルキャップがない、というのもロールプレイには不向きだ。最終的に行き着く先は皆同じなのだから。私としてはリプレイ性とかもあるし3、NewVegasのスキル式、レベルキャップ有りがよかったかなぁとは思う。
3、NewVegasは限られたレベルアップで振り分け強化するスキルや習得するperk等でロールプレイ、周回プレイ要素がかなり強かった分、4のロールプレイの希薄さには少し落胆している。
・それでも…
しかしながら、このComonWelthという土地は、
今作がロールプレイ要素が希薄だとしても魅力的だ。
どこからともなく湧いてくるグール。海辺を歩いていると砂から飛び出すミレルーク。
歩いていると襲い掛かってきたり、廃墟に拠点を形成しているレイダー達。
この荒れ果てた世界で農家を営み、必死に毎日を生きる一般人達。
もう核戦争で死んでしまい、骨だけになった死体からすらも、生命を感じる。
その世界のすべての存在がきっちりと地面に根を下ろして息づいて、生きているのだ。
(これは地面から解放された熊さん)
RPGとしては評価しにくいが、RPG的なオープンワールドシューターとしてはこの上ないほどの最高傑作であると言ってもいい。
この荒廃しながらもすべてが息づいている濃厚な世界を体験して欲しい。
日本版FallOut4は12月17日発売である。
決して買い逃す事の無きようお願いしたいところだ。